ー2024年2月に埼友草加病院が草加松原に移転してから8周年を迎えました。前回のインタビュー(2019年)以来、様々な変化がありましたね。
はい、早いもので8周年になりますね。
私たちは、「患者様に良質で温かい医療を提供します」という医療理念のもと、医療を展開してまいりました。しかし、前回のインタビュー以来、医療の世界は100年に一度の大事件と言われるコロナ禍に対峙し、未曾有の事態となりました。
当院には多くの患者様が透析治療のため通院されています。末期腎不全の透析患者様は免疫力が弱く、コロナウィルスに感染すると重症化しやすい傾向にあります。コロナ禍に入っての最初の2年間は、本当に手探りの状況でした。
病院としても透析室や、病棟で一度クラスターが発生すると収束までに大変な時間がかかります。
私たちはこの未知の病原体と戦い、日々、恐怖を抱えながらも、
「どうしたら患者様やスタッフを守れるだろうか?」
「感染してしまったらどのように医療を展開するか?」
と、スタッフみんなで考え、感染対策や診療にあたり、なんとか今日を迎えることができました。
この危機を乗り越えることができたのは、当院の運営にご協力いただいた患者様、ご家族様、そしてスタッフの献身的な支えがあったからです。本当にありがとうございました。
当院が力を入れてきた腎臓病の分野をみますと、ご紹介頂いた時点ですぐに透析治療が必要な患者様は、移転前と比べ、ずいぶんと減りました。
一方で、「健診で蛋白尿が出て…」などといった初期症状の段階で、腎臓内科の初診にいらっしゃる方が増えました。
こうした現在の状況から、「腎臓病を診る病院」として埼友草加病院が地域に根付いてきたように思います。
この草加松原の地は、地域の開発が進み、幅広い世代で人口が増加しています。
当院の立地の利便性から、腎臓内科以外の診療科についても受診される患者様が増え、ご紹介患者様も多くなってきました。
今後は、腎臓病のみならず、糖尿病や高血圧症をはじめとした生活習慣病や様々な全身の疾患に対し、幅広い医療を提供できるように注力して行きたいと考えています。
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食事について
また、かねてより委託していた病院内の厨房業務を、2022年より直営に切り替えました。
直営化のメリットとして、実際に栄養管理部や医師をはじめとしたスタッフ、患者様の意見をダイレクトに取り入れ、反映できることが挙げられます。
腎臓病や生活習慣病は、食事と密接な関係にあります。
今回の直営化にあたり、食を通して疾患を治療しよう、というプロフェッショナルな思想をもった管理栄養士さんや調理師さんを集めることができました。
栄養指導についても、実際に患者様に召し上がっていただいた入院食をもとに行えることも、院内厨房ならではの強みだと感じています。
味や栄養バランス、減塩などが考慮されていることはもちろん、目で見ても楽しんでいただける食事の提供が実現できるようになりました。
今後も腎疾患を診る病院として、「美味しい治療食」の提供を続けていきたいと考えています。
ー埼友草加病院がアピールする多職種連携とはなんですか?
当院には、腎機能が低下し、慢性腎臓病(CKD)となった患者様に対して可能な限り進行を遅らせ、「腎臓を守る」ことを目的とした「CKDチーム」が組織されています。
また、残念ながら末期腎不全に至り、透析治療を導入された患者様の心身のサポートも行います。
CKDチームのメンバーは、医師をはじめ、看護師、臨床工学技士、臨床検査技師、薬剤師、管理栄養士、リハビリスタッフ、ケースワーカー、公認心理師・臨床心理士などといった多職種で構成されています。
急性疾患とは違い、慢性腎臓病は合併症を発症しやすく、そして長期的な治療が必要な病気です。
この長い療養生活を送る上で、医学的に良いとされる治療法だけを提供しても、患者様やご家族のご意向に沿わない、苦しいものとなってしまいます。
それを防ぐために、CKDチームは多職種の幅広い視野から、情報の収集・共有を行います。
患者様のライフスタイルや価値観、家族の支援の状況、治療環境などを踏まえ、患者様・ご家族様が納得して医療を受けられるよう、多職種で連携を図りながら支援をしています。
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ー今年から力を入れていくプロジェクトなどはありますか?
2023年より、草加市が先頭に立った災害対策のプロジェクトがスタートしました。
このプロジェクトでは、草加市内の各医療施設だけでなく、消防、警察、医師会、歯科医師会、薬剤医師会、保健所などと協力して連携し、大規模災害時における救命・救助、市内の災害体制の整備、傷病者の分散を図ることを目的としています。
ひとたび首都直下型大地震が起きると、何百万人もの人口が埼玉県を含む都外へ流出することが予想されます。草加市は、人口に対して医療施設が充足しているとは言えず、その中で課題となるのは被災後の医療体制の整備です。
2024年は1月の能登半島地震の影響もあり、防災についてスタッフの関心も高くなっています。
当院では透析室における避難訓練やBLS(心肺停止または呼吸停止に対する一次救命処置)研修なども、都度行っております。
埼友草加病院も草加市の一医療機関としてどんな対応をするべきか、貢献できるのかを考え、災害対策を練り、この課題に全力で取り組んでいきます。
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ー最後にHPを見てくださっている方にむけてメッセージをどうぞ
腎疾患に対しては診断から治療までのトータルケアを目指し、それ以外の疾患に対しても早期診断から早期治療につなげる医療を展開していきます。
職員一同、これまで以上に地域の医療に貢献を深めていく所存です。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。
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