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ヨーロッパ透析移植学会~体験記~

  • イベント
  • 2013年08月20日掲載

体験記

■リハビリテーション科が取り組んでいること
埼友草加病院リハビリテーション科では、入院・外来を問わず、多くの血液透析患者様に可能な限りリハビリテーションを受けていただけるよう日々努力しています。血液透析患者様は、1日おきの透析を行いながら日々生活されておられますが、複数の合併症をもつ方が圧倒的に多く、新たな疾病の発症や全身状態の悪化により入院すると、日常生活活動(ADL)に支障をきたし、在宅生活への復帰に時間を要するケースが多くあります。

そういった状況を踏まえて私たちリハビリテーション科では、在宅生活への復帰を遅らせる要因を探り、生活の質(QOL)を上げるために、『血液透析患者とADL』について研究を行っています。


■今回の研究内容
今回具体的には、透析患者様が日常行っている動作を点数化し(FIM)、2年間の死亡率との関係を調査しました。その結果、ADLの悪かった患者様の2年生存率が有意に低下していることがわかりました。また、透析患者様のADLは健常者の約半分で、特に認知機能より運動機能でその傾向が顕著に見られました。このことから、ADLは透析患者様の2年生存率を予測する指標になる可能性があることがわかりました。

以上の研究を、『THE IMPACT OF FIM SCORE IN THE SHORT TERM MORTALITY OF HEMODIALYSIS PATIENTS(血液透析患者の短期死亡率に対するFIMスコアの影響)』というタイトルでまとめ、ヨーロッパ腎臓透析移植学会:ERA-EDTA(European Renal Association-European Dialysis and Transplant Association )に投稿したところアクセプトされ、2013年5月18~21日トルコのイスタンブールで開催された学会に参加いたしましたので「発表体験記」として報告いたします。

■いざイスタンブールの学会会場へ!
会場はイスタンブールの新市街にあるIstanbul Congress Centerで各国から多くの医療従事者が集まっており、人種・人数・会場・セキュリティ・発表形式など、国内の学会との規模の違いに圧倒されました。しかし、会場内は全体的に笑顔が多く和やかな雰囲気の中で建設的な意見交換が行われていました。国や人種を越え、腎臓疾患について多くの研究がなされている一方で、リハビリテーションに関する研究数が圧倒的に少ないことを目の当たりにし、今回発表した私たちの研究演題の重要性と必要性を実感することが出来ました。

私はポスター発表を行いましたが、『自分から質問を求める』ことを目標に臨み、結果、3組の外国人との質疑応答を行うことが出来ました。語学力の乏しい私は事前に用意した答えを組み合わせることで何とか答えることが出来ました。そのような状況でも、みなさん笑顔で私の言葉の真意を読み取ろうと耳を傾けてくださり、「よい研究だ」「とても興味深い」と励ましの声を掛けて頂きました。リハビリテーション科のスタッフで試行錯誤しながら行ったこの研究が、諸外国の方々の共感を得られたことは、とても喜ばしく、これからの研究の励みになりました。

■人も街も魅力的なイスタンブール
5日間の滞在中は、イスタンブール観光もさせていただきました。イスタンブールの市街地はボスポラス海峡で新市街と旧市街に分かれています。新市街は坂が多く、街は歴史を感じるヨーロッパ建築が建ち並び、石畳の上を路面電車が走っています。細く入り組んだ路地が迷路のように広がり、高台からはトルコの青い空とボスポラス海峡を挟んだ対岸の旧市街が目に飛び込んできます。私はこの景色がトルコの一番のお気に入りで、よく散歩をしました。

旧市街はモスクや宮殿が数多くあり、早朝4時にコーランが鳴り響きます。地元の人たちは街のいたるところでのんびりとチャイを飲み、海峡に架かる橋では平日にもかかわらずたくさんの人が朝から釣りを楽しみ、日本よりも時間がゆったりと流れているように感じました。一方、ブルーモスク・アヤソフィアなどの観光名所周辺は週末だったこともあり、多くの観光客と地元の人たちでにぎわっていました。その活気の中を地元の人たちにまぎれながらトラムやメトロを乗り継ぎ、巡ったのも楽しい思い出になりました。

観光中はよく日本語で話しかけられましたが、言葉が通じなくても、困った時にはたくさんの地元の方が助けてくださいました。そのため、ひとりでも観光を楽しむことが出来ました。イスタンブールは、人も街もとても魅力的で、トルコの文化・歴史に興味を持つことが出来ました。いつかまた、訪れてみたい国となりました。

■体験記のまとめ
初めての国際学会発表を終えてみて、準備不足・語学力不足を痛感しましたが、それらの失敗や恥ずかしさや緊張感を含め、楽しむことが出来ました。今の自分としての精一杯の力も発揮出来たと思います。また、国際学会への準備は想像以上に大変で、多くのご指導を頂きながら、前日まで辞書を片手に四苦八苦しました。しかしその甲斐あってか、他の先生方の発表を見学した時、部分的ではあっても、少しずつ発表を理解出来ていることが多くなっていることに気が付きました。これは私にとって、驚くべき大きな収穫でした。この経験を活かし、今後も知識と技術の向上に努め、患者さんへ効果的なリハビリテーションを提供し、1日でも早く在宅生活へ復帰できるように、日々取り組みたいと思います。

最後に、本研究をサポートして下さった埼友草加病院の中村裕也先生、さらに研究の準備、サポートのみならず、発表に際しても立ち会って下さった都立駒込病院の安藤稔先生、原正樹先生に感謝申し上げます。

医療法人 埼友会 埼友草加病院
リハビリテーション科
遠藤美紗子


■ヨーロッパ透析移植学会に同行して
2013年5月19日〜21日、トルコのイスタンブールにてヨーロッパ腎臓透析移植学会が開催されました。
会場はイスタンブールの新市街地にあり、中心地のタクシム広場から20分くらいの所で、周囲には軍事会館や博物館などもあり、ホテルが点在していました。
今回の学会には、「血液透析患者の短期死亡率に対するFIM スコアの影響」
THE IMPACT OF FIM SCORE IN THE SHORT TERM MORTALITY OF HEMODIALYSIS PATIENTS.
という題名での英文ポスターを掲げ、発表当日(現地5月21日10時15分~11時45分)ポスター前に立ち、質問に応じました。

ポスターを見て、ポスターの素材を褒めて下さる方や、要約を2~3分で説明してくださいと言う方もいらっしゃいました。また、「この内容はよく出来ているね。」と、デンマークの教授よりお褒めの言葉を頂き、名刺交換をさせていただきました。
とっても長く緊張の1日でありましたが、ヨーロッパに埼友会の名を残した記念すべき日となり、その場に居られたことを私自身誇りに思います。

医療法人 埼友会 埼友草加病院
看護副部長 有沢さち子

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TEL:048-944-6111(埼友草加病院 代表)

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